乾癬とは

乾癬とは、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹(紅班)の上に、銀白色のフケのような垢(鱗屑)が付着し、
ポロポロとはがれ落ちる病気です。
日本では、10万人以上の患者さんがいると言われています。

       乾癬にはどんな種類があるのか

尋常性乾癬
乾癬患者さんのほとんど(約90%)を占めます。頭部、肘、膝など、こすれやすい部分や刺激を受けやすい
部分によく見られ、全身に広がることもあります。約60%の患者さんに爪にも症状が見られます。

滴状乾癬
小さい水滴程度の大きさの皮疹が、全身に出現します。鼻、のど、歯など、体のどこかに細菌の感染病巣が
存在し、それが悪化する時に起こることがあります。特に扁桃腺炎がきっかけとなることが多いと言われ
ています。

乾癬性紅皮症
尋常性乾癬が全身に広がり、皮膚全体が潮紅した状態になります。

膿庖性乾癬
発熱、倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が潮紅し、膿庖(膿を持った状態)が多発します。放置すると、全身
衰弱などにより重篤化する場合があります。

関節症性乾癬
皮膚の症状に加えてリウマチのように関節がはれたり、痛んだりする症状が出現します。

    どうして乾癬になるのか

乾癬の原因はまだ完全には分かっていませんが、体質的な要素(遺伝子的素因)に外的因子(ストレス、
食生活、薬剤など)、内的因子(糖尿病、脂質異常症{高脂血症}、肥満など)が加わることで、発病
すると考えられています。

    乾癬は遺伝するのか

乾癬を発病しやすい体質は遺伝することもあると言われています。しかし、乾癬を発病しやすい体質だか
らと言って、必ずしも乾癬するとは限りません。
発病には内的因子や外的因子が強くかかわります。

    乾癬はうつるのか

乾癬は、まわりの人にうつることはありません。温泉やプールなどに一緒に入っても絶対にうつりません
ので、ご家族や友人などまわりの人に乾癬についての正しい知識を持ってもらいましょう。

    乾癬の治療方法

乾癬を良くする主な治療として、現在、外用治療(ぬり薬)、内服治療(のみ薬)、光線治療、生物学的
製剤(注射または点滴)の4つの方法があります。
これらの治療方法は、患者さんの症状の程度や生活様式に合わせて単独で行われる(単独治療)場合と、
組み合わせて行われる(併用治療)場合があります。

外用治療(ぬり薬)
乾癬治療の基本となるものです。ビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬などがあります。
ビタミンD3外用薬
最近では、乾癬治療の第一選択薬のひとつとしてよく用いられています。主に皮膚の細胞の異常な増加を抑
えるお薬です。
ステロイド外用薬
効果の強さによって5つのランクに分けられ、症状に応じて使い分けられます。 
主に炎症を抑えるお薬です。

内服治療(のみ薬)
皮膚の新陳代謝を抑えるビタミンAの誘導体や、高まっている免疫反応を抑える免疫抑制剤が用いられます。
これらのお薬を服用している方は、お薬による副作用が起きないよう、定期的に検査を受けることが大切です。

光線治療
光に対する感受性を高めるお薬を飲んだり、あるいは塗った後に長波長紫外線(UVA)を照射するPUVA
治療や、中波長紫外線(UVB)を照射する治療法などがあります。

生物学的製剤(注射または点滴)
乾癬の病変部位で大量に出ている炎症にかかわる物質を抑制します。皮下注射と点滴の2種類があります。生
物学的製剤による治療は、これまでの治療で効果がみられない患者さんなどを中心に行われます。

    乾癬治療で大切なこと

乾癬の治療は、症状の程度と、患者さんのQOLの両方を改善するために患者さんにとって一番良い治療法を
選択します。医師と治療法について十分相談し、医師から指示された用法・用量、組み合わせをきちんと守っ
て治療することが大切です。
また、自分の判断で勝手にお薬をやめたり使いすぎたりすると、症状が悪くなったり、思わぬ副作用が出たり
することもあるので、医師の指示通りに正しく使いましょう。
 

薬剤師募集 店舗一覧

MENU