副作用は本当に無いの?

 

現在一般に使用されている漢方薬はおだやかなイメージがあって、副作用がないと思われがちですが、まったくないわけではありません。ごくまれに、小柴胡湯による間質性肺炎、エフェドリンを主成分にする麻黄剤による胃腸障害などが報告されています。これらの副作用の原因としては、「証」の診断違いが考えられます。漢方薬での治療は、患者さん個々の体質、自覚症状など様々な要因から「証」と言うものを決定し、それに基づいてその人にあった薬を選び出すことから始まります。「証」にあったものを服用することによって、よりいっそうの効果が期待できるのです。 例えば、「実証」として診察されていたものの、「虚証」だったために、薬の作用が強すぎてしまったという場合などです。漢方薬と西洋薬を併用したことによって、症状がかえって悪化してしまうこともあり得ます。また、漢方薬は副作用がないと思い込み、同じ症状を訴えている別の人に同じ漢方薬を分けたところ、副作用が出てしまったという例もありますが、これも結局は「証」の違いによるものです。したがって、正しく漢方を学んだ医師の指示を守って漢方薬を用いる限り副作用は極めて起こりにくいものであるといえるでしょう。