胃の症状


第3回目は胃の症状です。
 
     胃に異常はないが、胃の働きが低下している症状を‘機能性胃腸症‘と呼びます。三つのタイプに分類できます。

  運動不全型 潰瘍症状型 胃食道逆流型
主な症状 胃もたれ 胃痛 胸やけ
原因 胃のぜん動運動が低下し、食べ物が胃の中に長くとどまる ストレス等による過剰な胃酸分泌 胃酸が食道に逆流
消化管運動促進薬 制酸剤
H2ブロッカー
H2ブロッカー
PPI
    これらを予防するために、規則正しい食生活、ストレスをためない、たばこをやめる、胃を圧迫しない様 姿勢を正すことなどが大切です。また、飲酒、コーヒー、香辛料などの刺激物、痛み止めの薬を控えることも必要です。
 
    薬の服用でなかなか良くならない場合や、痛みを繰り返す場合は検査が必要になります。
 
    通常、胃から消化酵素を含む強い酸性の胃液が分泌されている。そのため、胃壁は粘膜や粘液によって保護されているので胃酸によって障害を受けない。
 
    しかし、胃酸や消化酵素など胃粘膜に対して攻撃的に働く因子(攻撃因子)が強くなったり、胃粘膜の血液の流れの低下や、粘液の分泌が低下することで炎症が起こります。これに、ピロリ菌とストレス、疲れ、鎮痛剤、たばこなどの要因が加わると胃潰瘍となります。胃潰瘍から出血すると、コールタール状の黒い便が出たり血を吐くこともあります。
胃潰瘍の80%はピロリ菌に感染しています。そのため、ピロリ菌の除菌が必要になってきます。
 
    ピロリ菌とは、胃の粘膜にいて、胃酸という強い酸性下でも住みつく菌。これを取り除くために二種の抗菌剤とプロトンポンプ阻害剤(PPI)ー強力に胃酸をおさえるーを1日2回、7日間服用します。そして4週間後に再検査をして診断します。
 
    飲み忘れがない様にしないと耐性菌化し(薬が効かなくなります)残存する事があります。この1回の治療で約80%の方が除菌できます。副作用として、下痢の症状が出ることがあります。軽い場合はそのまま服用を続けて下さい。発熱を伴ったり、血便、粘液便があらわれた場合はすぐに、医師に相談する様にして下さい。
 
 
いろいろな胃の薬

健胃薬 ・・・ 消化液に分泌を促し、食欲を増加させる成分や、胃酸を中和して胃酸過多の症状をやわらげる成分、消化を助ける消化酵素などが混合されている薬。
消化酵素薬 ・・・ 体内にある消化酵素と同じ働きをし、消化不良を起こしている時に、消化力を高めるために使う薬。
副交感神経作動薬 ・・・ 副交感神経を刺激して、胃腸の動きを活発にする薬。
消化管運動促進薬 ・・・ 胃、腸の運動を高める薬。
  
 
防御因子増強剤
胃粘膜保護薬 ・・・ 胃液の強い作用から、胃の粘膜を守る薬。
粘液の増量、粘膜の血流を増加する作用があるものもある。
また、プロスタグランジン(PG)作用で胃粘膜の胃酸に対する抵抗力を増やすものもある。
攻撃因子抑制剤
胃粘膜保護薬 ・・・
胃液の強い作用から、胃の粘膜を守る薬。
粘液の増量、粘膜の血流を増加する作用があるものもある。
また、プロスタグランジン(PG)作用で胃粘膜の胃酸に対する抵抗力を増やすものもある。
 
胃酸中和剤
制酸剤 ・・・ 胃酸を中和する薬
胃粘膜保護剤
胃粘膜麻酔薬 ・・・ 胃酸の分泌をおさえたり、胃腸の働きをやわらげる作用もある
 
攻撃因子抑制剤    
H2ブロッカー
(ヒスタミン受容体拮抗薬)
・・・ 胃酸の分泌をおさえる薬
PPI
(プロトンポンプ阻害薬)
・・・ 胃酸の分泌を強力におさえる薬
ムスカリン受容体拮抗薬
(抗コリン剤)
・・・ 副交感神経の働きをおさえて、胃液分泌、胃腸収縮の痛みをおさえる。
 
抗ガストリン薬 ・・・  胃酸の分泌を促すガストリンというホルモンをおさえる。
 
   これらの薬をうまく組み合わせて服用し、症状を改善していきます。また、牛乳、大豆製品、脂身の少ない肉、野菜などの消化の良い食べ物をとり食事直後の運動、入浴は避けることが大切です。
 
胃にやさしい習慣
 
   1.  一日3回規則正しい食事をとる。よくかんで食べるをとる
   2.  十分な睡眠をとる
   3.  薬はきちんと医師の指示どおり服用する
   4.  タバコ、アルコールはさける
   5.  ストレスをためない
   6.  熱いもの、冷たいもの、味の濃いもの、刺激の多いものをさける
   7.  繊維の多いものや、固いものは少なめに
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