尿路結石とは


主な成分はカルシウムで、シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石の2種類が多くの結石を占めています。その他アミノ酸の一種であるシスチンの代謝異常により生じるシスチン結石、痛風の原因にもなる尿酸の過多により生じる尿酸結石、細菌感染により生じる結石(リン酸マグネシウムアンモニウム結石)があります。

腎臓内で作られた結石がその場でとどまれば腎結石、移動して尿管内に詰まった場合は尿管結石、尿管を通過し、膀胱内に移動したものは膀胱結石と、部位によって名称が異なります。それらの総称が尿路結石と呼ばれています。

腎結石も、蓄積した部分によって腎盂結石、腎杯結石と変わります。

症状


石の種類により痛み方が異なりますが、尿管結石では、腰部・背部に突き刺すような痛みを生じます。また、腎結石では殆ど症状が見られず、時折鈍い痛みを生じるため、なかなか気づきにくいといった一面があります。痛みのみならず、吐き気を催したり、腹痛を生じたりと、消化器系の疾患として間違えられることもあります。また、血尿を認めたことで、結石を発見するきっかけにもなります。

原因


尿路結石の約60%は原因不明です。これを特発性結石症と呼びます。1~2%が遺伝性、残り20~40%が何らかの原因がある場合です。原因として食事の不摂生、運動不足、水分の不足、尿路感染、尿の流れが滞る、長期寝たきりの状態の他、ホルモンにより結石ができる場合(福甲状腺機能亢進症等)があります。

また、薬などが原因で結石が生じることもあり、骨粗鬆症の治療薬となるビタミンD製剤、尿酸の排泄を促進する薬等があります。


治療・予防


結石の大きさが5mm以内であれば自然排出を目的として水分摂取等で尿量を増やし、平行して軽めの運動を行い、排泄を促します。それ以上の大きさの結石、または水腎症を伴う場合は、対外衝撃波破砕術(ESWL)により結石を破壊し、小さくなった結石が尿中に排泄されるのを待つ方法があります。ESWLが適応できない場合は、経尿道的尿管破砕術、経皮的腎結石摘出術を用いることがあります。


薬物療法として、尿のpHを酸性から是正するためのアルカリ化薬(クエン酸塩の製剤)、尿酸の合成を抑える薬(アロプリノール等)、尿管を広げ、痛みを和らげ、結石の排泄を促す薬を使用します。痛みがひどい場合はNSAIDs等の鎮痛薬を使用します。

予防として、水分多く摂取することが重要です。1日尿量を1.5~2リットルを目標とします。
汗を多くかく時では、尿の量や色が濃くなりすぎないように注意し、十分な水分補給を行うようにしましょう。また、食事の内容にも注意が必要で、動物性蛋白の取りすぎによる尿中へのカルシウム排泄量が増え、結石が出来やすくなります。プリン体を多く含むレバーや魚卵等、多く摂取することで高尿酸血症となり、痛風と尿酸結石の原因となります。過度の飲酒も原因となり、ほどほどにするようにしてください。野菜(ただしホウレンソウ等のシュウ酸を多く含むものは除く)や海藻類を多く摂取するよう心がけましょう。


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