歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
食べ物のカスをそのままにしておくと「歯垢」(プラーク)ができます。このかたまりの80%は水分、残りの20%がギンギバリス菌などの細菌で、粘性があるため歯の表面や歯ぐきとの境目などに付着しやすい性質をもっています。このギンギバリス菌(グラム陰性嫌気性桿菌)が産生する毒素は歯肉に炎症を起こし、歯肉炎や歯ソーノーローの症状を悪化させるほか、口臭の原因にもなります。
次のことも歯周病を進行させる因子となります。
1.歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
2.不適合な冠や義歯
3.不規則な食習慣
4.喫煙
5.ストレス
6.全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
7.薬の長期服用
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。
プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
また、重度歯周病患者では血中CRP値が上昇し、動脈硬化や心筋梗塞発症のリスク亢進と密接に関与すると考えられています。
さらには、この慢性炎症が個体の老化を促進するという論文も出てきました。
このように歯周病とメタボリックシンドロームの関連性が注目されています。
歯周病」を治療するもっとも大切なポイントは、口内をつねに清潔に保つことです。その基本は歯垢をためないための「正しいブラッシング法」、これは治療と同時に予防のポイントでもあります。また歯周病の程度や生活スタイルによっては、歯周病関連商品を有効に活用するのも治療効果を高めるポイント。口内を清浄に保つためのマウスウォッシュ、治療を内側からサポートする内服薬、知覚過敏の専門治療薬などが有効です。
最初は、鏡を見ながら毛先がとどいていることを確認するのも良いでしょう。
小さく横にでも、縦にかき出す様にしても、円を描く様にしても、良いと思います。 要は、歯と歯肉を傷つけることなくプラークを落とすことができれば良いのですから。
力を入れて磨くと歯ブラシの毛先が開いてしまいプラーク(歯垢)が落とせません。 さらには、歯や歯肉を痛めてしまいます。力の目安は、毛束がまっすぐなまま歯面に当たる程度で良いのです。
毛先を使って磨く方法がプラークの除去には効果的です。 ついつい大きく動かしがちですが、歯には凸凹があるため小刻みに動かさないと、引っ込んだ所には毛先がとどきません。 特に、裏側や歯と歯の間を磨く時は、大きく動かすとせっかく入った毛先がでてしまいますので注意して下さい。
プラークは粘着性が高いため、2回~2回歯ブラシを動かした程度では落としきれません。 1日に最低1度は、時間(5分以上)をかけてゆっくりと隅々の歯垢を取り除いて下さい。
可能であれば、毎食後磨くことが理想です。
とくに、寝
る前に丁寧にゆっくりと磨くことが効果的です。