加齢黄斑変性とは

加齢などが原因で、視野の中心がゆがんで見えたり、部分的に欠けて見えたりする病気です。黄斑は網膜の中心にあり、外から入ってきた光はここで像を結びます。光を電気信号に変える視細胞が集中しており、外側にある網膜色素上皮細胞や脈絡膜が、視細胞を健康に保っています。


ouhan_f01.gifouhan_f02.gif

          目の構造                               黄斑の位置(正面から)

1002_01.jpg











加齢黄斑変性ではこれらの黄斑の組織が障害されて変性しますが、大きく分けると、網膜色素上皮細胞が委縮して視細胞の数が減っていく

「萎縮型」

と、脈絡膜から新生血管という異常な血管が伸び、血液成分がしみだして黄斑の機能が低下する

「滲出(しんしゅつ)型」

の2つのタイプにわけられます。

 

症状


加齢黄斑変性では、

変視症(へんししょう)、
中心暗点(ちゅうしんあんてん)、
視カ低下(しりょくていか)

というのが特徴的な症状です。

変視症.gif変視症 ものがゆがんで見えます。

中心暗点.gif中心暗点 見ているものの中心が欠けて見えません。

視力低下.gif視力低下 見たいものがはっきり見えません。

また、日頃から、ときどき片眼をふさいでものを見て、見え方に異常がないか確認しましょう。紙に格子状の線を書き真ん中に黒い点を書いて見つめ、見え方に異常がないか左右それぞれチェックするのもよいでしょう。障子の桟を見たときなどでも自覚できる場合があります。1つでも当てはまれば早めに眼科を受診しましょう。

  
                        簡単にできる自己チェック.gif

予防

 

加齢黄斑変性の主な原因は加齢ですが、喫煙、肥満、日光(特に青い光)が発症や進行に関わることがわかっています。禁煙をする、体重を減らす、帽子・日傘・サングラスを用いるなどで、発症や進行を予防することが大切です。
 

 

治療



日本人の加齢黄斑変性では、萎縮型は非常に少なく、ほとんどが滲出型です。滲出型の治療法には、主に「抗血管新生療法」と「光線力学療法」の2つがあり、早期から治療を受けるほど効果が高まります。

抗血管新生療法は、新生血管を成長させるVEGFというたんぱく質の働きを抑える「抗VEGF薬」を目に注射することで、新生血管を退縮させる治療法です。月に1回の治療を3か月間行い、その後は状況を見ながら注射します。新生血管の場所や形状によらず、どの場合にも有効なため、現在はこちらが主流です。

1002_03.jpg


光線力学療法は、光が当たると化学反応を起こす薬剤を注射してから弱いレーザーを当て、新生血管を閉塞させる方法です。1回で新生血管をほぼ閉塞させることができますが、場所や形状によって効果が十分でない場合があります。


 治療後の視力は、病状の進行度によってさまざまです。黄斑のなかでも特に重要な中心窩に病態があらわれている場合、視力の低下は著明です。

 

 

生活の中で気をつけること 

 

定期的に眼のチェックをしましょう
 加齢黄斑変性と診断された4割程度の人では、経過とともに両眼に発症するといわれています。良いほうの眼も定期的に医師に診てもらいましょう。

バランスのとれた食事で眼の健康を保ちましょう
 亜鉛の血中濃度の低下と加齢黄斑変性の関連が指摘されています。加齢に伴って、亜鉛が含まれている食品(穀類、貝類、根菜類など)の摂取量が少なくなるとともに、腸の亜鉛を吸収する力が低下してしまうことから、亜鉛不足になりやすいといわれます。また、カロチノイドの摂取量が少ないと発症しやすいという研究報告もあります。なるべくカロチノイドを多く含んでいる緑黄色野菜を摂取するようにしましょう。全身の健康を維持するためにも、バランスのとれた食事を心がけましょう。
 

薬剤師募集 店舗一覧

MENU