こむら返り

*こむら返りとは

 “こむら”とは、ふくらはぎのことで「こむら返り」とは“ふくらはぎが痙攣を起こし強い痛みのある状態”の俗称です。いわゆる“脚がつる”というのも同じ状態を表します。

 ふくらはぎ以外でも、足の指、足の裏、太もも、腹筋などに起こっても“こむら返り”と総称されます。専門的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれます。

*こむら返りが起こる原因

 こむら返りがどうして起こるのか、詳しいことは明らかになっていません。

 通常私たちが体を動かすときは、筋肉を収縮させるという信号が脳から脊髄を通って末梢神経に伝わり筋肉が動きます。ところが、何らかの原因でこの経路に異常が生じ筋肉が異常に収縮するのがこむら返りです。

 こむら返りは一般に就寝中や運動中に良く起こり、高齢になるほど起こる頻度が上がります。また、妊娠中の女性にも起こりやすいといわれています。

*こんな時は受診が必要

 こむら返りはほとんどの場合生理的に起こるものであまり心配する必要はありません。しかし頻度は少ないものの服用している薬の影響であったり、何らかの病気が潜んでいる場合もあります。

 次のような場合は病気が原因になっているかどうかを確かめるために神経内科などを受診することをお勧めします。

  • 毎日何度も起こる。あるいは夜中に何度も起こり安眠できない。

  • しびれる、手に力が入らなくなってきた、筋肉がぴくぴく動くなど、“つる”以外の症状がある。

  • これまで起こらなかったのに最近頻繁に起こるようになった。

  • こむら返りを起こす可能性のある主な病気

肝硬変、腎不全、末梢神経が障害される病気(糖尿病など)、腰部脊柱管狭窄症、心臓病、パーキンソン病、多発性硬化症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症など

  • こむら返りに影響があると考えられる薬

降圧薬、利尿薬、スタチン系の薬など

*こむら返りが起こったらどうすればよい?

  • ストレッチ…こむら返りが起こった時は過剰に収縮している筋肉を伸ばしてやることが大切です。また日常的にストレッチをすることでこむら返りが起こりにくくなる効果も期待できます。

  • 食事と水分…塩分や水分の不足がこむら返りの原因になることもあります。日ごろから水分や塩分不足にならないよう適切に摂取しましょう。

  • 薬…こむら返りの治療には“芍薬甘草湯”が用いられることがあります。即効性がありますので症状が出た時に使えるように常備しておくとよいでしょう。しかし、使いすぎると低カリウム血症を起こすことがありますので心配な方は医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。

*ストレッチ

  • こむらがえりが起こった時に!

  • 座って足のつま先を手前に引っ張る…ふくらはぎの内側が伸びていることを確認しながら数秒から数分そのままの姿勢を保ち、ゆっくり元に戻す。痛みが治まるまで繰り返します。

  • 立ったまま伸ばす…外出中などで座るのが難しい場合は立ったままふくらはぎを伸ばします。かかとは地面から離さないようにします。  

  • ほかの人につま先を押してもらう…周囲に人がいる場合はつま先を押してもらうとよいでしょう。痛みが治まるまでゆっくりと繰り返します。

  • 予防に役立つストレッチ

  • 壁に手をつき体を傾ける…足を肩幅に開き両掌を壁につきます。肘を曲げていき壁に体を預けます。かかとは上げずふくらはぎの筋肉を伸ばします。しばらくその姿勢を保ちゆっくりと元に戻る。これを一日数回行うとよいでしょう。

  • 両足をそろえてしゃがむ…両足をそろえたまましゃがみ、かかとがなるべく上がらないようにする。かかとが上がってしまう場合は無理をしない範囲で姿勢を保つようにしましょう。姿勢が安定しない場合はつかまれる物の近くで行いましょう。靴を履いたほうが足の指に力が入らず行いやすいでしょう。

*まとめ

 こむら返りはあまり怖がらなくても大丈夫です。しかし放置すると、生活の質が下がってしまいますので、早めに受診して、治していくことをお勧めします。また、気になる場合にはストレッチなどによって、ふくらはぎを伸ばすことでかなりの予防ができます。ぜひ自分に合った方法を毎日の生活に取り入れて予防していただけたらと思います。


薬剤師募集 店舗一覧

MENU