低身長とは
ほかの子どもたちと比べて、とても身長が小さいことをいいます。基準は「同性・同年齢の平均より-2SD以下」(SDは標準偏差)とされていて、2.4%ほどの子がその範囲にはいります。この中に、治療が必要な病気のお子さんが含まれています。また、小さい頃からの身長の記録を調べると、成長に問題があるかが分かります。
低身長の主な原因
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ホルモンの異常(成長ホルモンの不足、甲状腺ホルモンの不足など)
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染色体の異常(ターナー症候群など)
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骨・軟骨の異常
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主要臓器の異常
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心理社会的原因
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病気ではないもの(体質性、家族性、思春期遅発症など)
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栄養状態が極端に悪い
成長ホルモンの役割
成長ホルモンは、子どもの成長を促す大変に重要なホルモンであり、体の代謝にも大きな役割を持っています。
もしこのホルモンが十分に分泌されていないと、身長の伸びがとても小さくなってしまいます。こういった「成長ホルモン分泌不全性低身長症」のお子さんは、成長ホルモンを補うことで、正常な身長に近づけることができます。
この「成長ホルモン療法」を受けるためには、検査によって成長ホルモンの分泌が不十分であることを確かめる必要があります。
主な検査
●手のレントゲン
骨の発達が正常かどうかを見ます(骨年齢)。ある程度の「最終身長の予測値」を知ることもできます。
●ホルモンの検査
甲状腺ホルモンなど、いくつかのチェックをします。
●染色体の検査
●血液一般の検査
成長ホルモンの検査
成長ホルモンは、脳の一部である脳下垂体で作られますが、夜間に分泌されるため、外来で単純に採血しても正常かどうか分かりません。そのため、分泌を促す薬を使って、その後の分泌されるかどうかを調べます(2~3時間ほど)。(分泌刺激試験)
また、夜間の睡眠時に分泌されているかどうかを調べることもあります。
成長ホルモン療法
不足している成長ホルモンを、体の中に注射で補う治療です。
小学校の入学前から始めることが多く、骨の成長が止まるまで続けます。
夜間に成長ホルモンが体の中に入っていた方がいいので、注射に慣れたら、自宅でほぼ毎日行います。