水虫

第5回目は水虫です。    
 
  水虫とは白癬菌という真菌 (カビ) の一種です。白癬菌は 「ケラチン」 というタンパク質を栄養にしていますが、これは皮膚の表面の角質層の成分であり、爪、毛にも多く含まれています。
  爪はケラチンでできていて非常に硬い状態です。しかし白癬菌はケラチンを溶かす酵素(ケラチナーゼ)を持っており、それを出して爪を溶かしながら中に入っていきます。
従って皮膚ばかりではなく、爪、毛にも感染します。
 
<水虫の種類>
 
        白癬菌寄生場所                                               病名                                        特      徴
                 頭                               →                     頭部白癬           「しらくも」とも呼ばれる
                 体                               →                     体部白癬           「たむし」 または 「ぜにむし」 と呼ばれる
              外陰部                           →                     股部白癬           「いんきんたむし」 と呼ばれる
                 爪                               →                       爪白癬             爪が白く濁ったり、変形したり、みがあるわりにボソボソともろくなるのが特徴。
また爪が白癬菌の貯蔵庫となり菌をまきちらすことで足水虫を繰り返す原因となりやすい。
                 手                               →                       手白癬             「手の水虫」 と呼ばれる
                 足                               →                       足白癬             「足の水虫」 と呼ばれる
 
 
足白癬の分類
 
   1.   趾間型・・・特に薬指と小指にでやすく、むずがゆい感じを伴う最も多いタイプです。指の間の皮膚がむけたり、ふやけ赤くただれた部分が見える。ジュクジュクしていることが多く他の 細菌もつきやすくなります。
   2.   小水疱型・・・足の裏や側面、指の付け根に小さな水疱ができ、破けると痒みを伴います。
   3.   角質増殖型・・・角質が厚くなり、粉をふいたようになるが痒みなどの症状はほとんどありません。しかし、放置しておくと高い確率で爪白癬を合併することになります。
 
<足水虫感染経路>
   白癬菌はカビの一種のため高温多湿を好みます。そのため汗をかいたり、靴の中が高温になる春~夏に増殖します。反対に低温で乾燥している冬は増えにくい傾向にあります。
   感染力はそれほど強力ではないが水虫の患者さんが使ったスリッパやバスマットなどに皮膚の破片が落ちていると、破片の中に生き残っている白癬菌が他人の足につきます。その後、すぐにストッキング、靴下を履くなどすると湿った足に長時間付着することになり感染を起こしやすくなります。
 
<検査>
  顕微鏡検査:皮膚の一部を採取し、真菌の菌糸や胞子有無を確認します。
 
<水虫の治療>
 
抗真菌外用薬
直接患部に塗ることで白癬菌を殺したり、その発育を抑える目的で使用。
軟膏、クリーム、液、ゲル、ローション、スプレーの種類があります。
①入浴後など清潔になった状態のときに塗布してください。
②症状が出ている範囲よりも白癬菌は広く寄生している可能性もあるため広範囲に塗布してください。
 
抗真菌内服薬
爪白癬や角質増殖型は薬が浸透しにくく、塗り薬だけでは治りにくいため飲み薬が用いられます。また、塗り薬でかぶれてしまった場合や、患部が細菌感染を起こしたり、広範囲におよんでいる場合にも用いられます。
爪白癬の飲み薬は体内に入ると血液の中に吸収されて、患部まで運ばれます。
爪そのものには血管がないが、爪を作っている「爪母」や爪に覆われた「爪床」には血管が通っている為、爪の内側から作用することができます。
 
治療期間(治療効果に個人差はあります)
体部、股部白癬菌 1ヶ月ほど
頭部白癬菌 23ヶ月ほど
足白癬菌 軽症 最低3ヶ月ほど
重症 12年ほど
手爪 36ヶ月ほど
足爪 11.5年ほど

    
パルス 療法 
短期間に一度に大量の薬を体内に入れ、合計量は連続投与と同等でありながら、より強い効果が得られる方法です。現在爪白癬のパルス療法はイトラコナゾールだけが保険適用を認められています。1日400mgを1週間飲んで3週間休薬するというサイクルを3回繰り返す方法です。
    
連日服用する方法
毎日服用し続けます
 
 
注意
 
    ・ 水虫の内服薬は、飲み合わせに注意が必要な薬があります。
 
      また下痢、腹痛、肝障害などが現れることがあり、定期的に血液検査を行い、肝機能をチェックすることが重要です。
 
         服用している薬があったり、何か症状が現われた場合は医師に相談してください。
 
効果の判定:水虫症状が消えても、薬をやめるとまた 、症状がぶり返すことがあります。よって、薬を自分勝手にやめないで、真菌が消失したかを必ず皮膚科で顕微鏡検査による確認をしてもらうことが大事です。
 
 
<水虫の予防のポイント>
 
毎日よく洗い患部をいつも清潔にしましょう。また洗ったあと、水分をしっかりふき取り、しっかり乾燥させることが大事です。
バスマット、スリッパなどは共有しない事。
水虫は再発しやすいため家族全員で予防をする事。
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