糖尿病性腎症


糖尿病性腎症は、糖尿病3大合併症のひとつです。
糖尿病は、自覚症状がないまま進行するため、腎臓の機能が低下する
「糖尿病性腎症」と言われる合併症を引き起こすことがあります.
 
糖尿病性腎症は、網膜症や神経障害とともに、糖尿病の3大合併症と呼ぱれています。
腎症1.pngのサムネール画像

糖尿病性腎症になると血液をきれいにする機能が低下します。
腎臓には「糸球体」という毛細血管が集まった組織が無数にあり、血液を濾過して、老廃物を尿へと排泄します。
 
糸球体で血液を濾過します
ひとつの腎臓には、100万個もの糸球体があります。ここで血液をふるいにかけて老廃物を取り除き、きれいにします。
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糖尿病性腎症になると
糖尿病性腎症になると、糸球体の機能が低下して、老廃物だけでなく、必要なたんぱく質も排泄されてしまいます。
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腎症が進むと糸球体が減少します
糖尿病性腎症が進行すると、糸球体が傷ついて減少し、老廃物が出にくくなります。
 
 
糖尿病性腎症は、第1期から第5期まで。早期治療が大切です。
 
糖尿病性腎症が原因で、透析が必要になる患者さんが増えています。
 
いちばん重要なことは血糖を良好に保つこと。
糖尿病性腎症は、長期にわたり高血糖値が持続することにより起きる病気です。血糖コントロールは、腎症の発症や進展を防ぐための最も基本となるものです。
 
血糖コントロールの目標は
腎臓の負担を減らすために、良好な血糖コントロールは不可欠です。目標となる血糖値をしっかり理解しましょう。
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食事療法のポイント
ます大切なのは食事療法です。主治医や管理栄養士の話をよく聞き、「減塩」と「たんぱく制限」を基本とする食事を心がけましょう。
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血糖値のほかに注意すべきことは。
糖尿病性腎症の治療には
血糖+血圧+脂質のコントロールが重要です。
 
◎血圧
血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、腎臓はダメージを
受けやすくなります。食生活で“減塩"を心がけましょう。
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◎禁煙
喫煙は,腎症や心血管の合併症のリスクを高めます。  
禁煙を心がけましよう。 
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◎血液中の「脂質」
LDLコレステロールなど血液中の脂質が異常値を示すと、腎臓の機能を低下させ、心血管の合併症のリスクが高まります。
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◎体重
肥満にならないような生活習慣が大切です。適正な体重を維持しましょう。
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早期に治療を始め健康な腎臓を取り戻しましょう。
 
糖尿病性腎症の治療には《血糖と血圧の管理》が大切です。また「たんぱく質制限」と「食塩制限」を基本とする食事療法と、生活習慣の見直しが必要です。
 
なせ早期治療が望ましいの?
腎症が進むと腎機能の回復も困難になります。また透析が必要になると、日常生活に制限が生じます。
早期のうちの治療すれば病期が 元に戻る可能性があります
治療が遅れて病期が進むと元に戻らなくなってしまいます
 
まだ腎症が発病していない≪第1期≫には
血糖コントロールで腎症を予防しましょう。
 
目標とする《血糖値》をめざして
第1期は、腎機能の値が正常で、アルブミン尿が陰性の時期です。生活習慣を改善し、血糖値・血圧・脂質を良好に保つことが腎症の予防につながります。定期的にアルブミン尿を検査して、早期発見に備えましょう。
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【第1期の治療ポイント】
目的 「腎症を予防」するために
主な治療内容 
食事 
●糖尿病食を基本とする
運動 
●適度な運動(体型・体力チェックや生活習慣チェックの上で)
その他
●糖尿病のお薬についても医師や薬剤師の指導に従いましょう
 
 
《第2期(早期腎症)》はとても重要な時期です。第3期への進行を防ぎましょう。

厳格な《血糖》と《血圧》のコントロールを
第2期では、しっかり治療すれば腎症の進行が止まり、アルブミン尿
が消失する場合があります。
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【第2期の治療ポイント】
目的 ●第1期に戻るために●第3期に進行しないために
主な治療内容
食事 
高血圧がある場合は減塩
●たんぱく質の摂りすぎに注意
運動 
●医師の指導のもと無理のない運動を
その他
●お薬は、医師や薬剤師の指導のもとで
●高血圧の場合には降圧薬を使用する必要も
 
 
《第3期》は、より厳格なコントロールを。
《第4期》には、透析への準備も必要です。

日常の食事でたんぱく質制限を
【第3期】血糖コントロールのみでは腎症の進行を止めるのが困難になります。脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を予防するためにも血圧管理や減塩が必要です。

【第3期の治療ポイント】
目的 腎症の進行を抑えるために 血糖・血圧・脂質の厳格なコントロールと食事療法
 
主な治療内容
食事 
●血圧管理のための減塩と腎臓の負担を抑えるたんぱく質制限が中心
●むくみがある場合は水分制限も
●必要なエネルギーを確保
その他
●医師の指導のもと、総合的な管理
 
 
【第4期】腎臓の働きが低下した時期です。進行すると、透析療法の導入を検討します。
 
【第4期の治療ポイント】
目的 透析導入を遅らせるために
 
主な治療内容 
●厳格な血圧管理を継続しながら、たんぱく質を制限
●腎機能の低下により使用できる薬物が制限される場合がある
●必要に応じてカリウムを制限
 
【第5期】透析療法または腎臓移植が行われます。
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【第5期の治療ポイント】

目的 腎臓の働きの代替(透析療法、腎臓移植)
 
主な治療内容 
●病院やクリニックで行う「血液透析」と、自宅でも行える「腹膜透析」がある
●手術による腎臓移植を選択することも可能
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