こどもの風邪

     

 かぜの多くはウイルス感染により起こる病気です。主に冬季に流行します。原因となるウイルスはパラインフルエンザウイルスやライノウイルスなどが代表的ですが、それぞれ多くの型をもち、この他のウイルスも関係するため非常に多数のウイルスがかぜの原因となるといわれています。このため、かぜには何度でも罹ります。 また「夏かぜ」と呼ばれる夏季に流行するかぜもあります。原因となるウイルスはエコーウイルスやコクサッキーウイルスなどですが、こちらも種類がたくさんあるので何度も同じような夏かぜにかかります。

 
        
 

症状


 主な症状は鼻汁、咳、くしゃみ、痰(たん)、発熱などです。吐いたり下痢をしたりといった症状がみられることもあります。かぜをきっかけに中耳炎や副鼻腔炎、肺炎といった病気に罹ることもあります。夏かぜの場合はのどに口内炎のような発疹ができて痛みのために食べ物がのどを通らなくなることや(ヘルパンギーナ)、結膜炎を伴ったり(咽頭結膜熱)、髄膜炎(無菌性髄膜炎)を起こすこともあります。

 

診断


 通常、臨床的な診断が行われます。咳や鼻汁といった呼吸器系の症状が主にみられれば、かぜと診断されます。血清中の抗体の上昇を証明する方法は、原因となるウイルスの種類が多いため、実際上不可能で行われません。ウイルス分離による診断は可能ですが、通常必要とすることがなく行われません。

 

治療


 咳、痰、鼻汁といった個々の症状に対する対症療法が中心になります。原因となる ウイルスを抑える薬は今のところありません。 解熱剤の使用はあくまで対症療法ですので、こどもが元気な時はたとえ熱が高くても使用する必要はありません。頓用にはそのような意味も含められています。
 

 

生活上の注意/予防


 ・安静と水分補給に注意

食欲の低下がみられる時はとくに水分の補給は大事です。
 

 ・冬場で空気が乾燥している時は室内を加湿

加湿器がない場合は濡れたタオルや洗濯物を室内にかけると効果があります。
 

 ・熱がある子供の注意点

5才以下の子供は、熱が高い時には、薄着にきせて体を冷やすと、けっこう熱が下がります。熱があるときは、まず表面冷却が基本です。目が届く範囲に寝かせておくのならば、布団はかけずにおいても問題ありません。服をたくさん着せて暖かくするのは、逆効果です。ただし、小学生以上は寒気がするなら、無理なことはしない方がよいでしょう。
 

 
 ・お風呂

風邪のときの入浴がよいかどうかは、一概には言えませんが、熱があったり、鼻水、鼻づまりの症状が強いとき以外は、気分をスッキリさせるために入浴するのもよいでしょう。風邪をひいたときの入浴は、ぬる過ぎず熱過ぎないお湯にサッと入る程度にしましょう。湯冷めをしないよう、浴室や入浴後に過ごす部屋はあらかじめ暖かくし、すぐに寝られるよう態勢を整えておくことも大切です。

 ・鼻づまり

乳幼児主ではまだ鼻がかめないため、鼻に鼻汁がたまり苦しくなることがあります。薬局などで鼻汁を吸うための道具を売っているので、このようなものを使ってあげれば楽になり、機嫌も少しよくなるかもしれません。お母さんの口で直接吸ってあげてもかまいません。

 ・手洗いとうがいの習慣をつけましょう

かぜ症候群に対しては予防接種はありません。日常気をつけることとしては、外出から帰ってきた時などには必ず手洗いとうがいをするようにしましょう。人混みを避けることも大事で、とくに子どもの多い環境(保育園や学校など)では、かぜウイルスに 罹るチャンスが最も高いので注意が必要です。

薬剤師募集 店舗一覧

MENU