腸重積
腸重積とは
腸重積(ちょうじゅうせき)は、腸が自分の腸の中にめりこんでいき、つまった状態になっているものをいいます。
赤ちゃんの病気では特にこわいもので、早く見つけて的確な処置が必要です。おきやすいのは生後3か月~9か月ぐらいの赤ちゃんで、全体の半数ほど。新生児や年長児ではまれです。また、なぜか男の子が女の子の2倍ほどいます。
腸重積の症状
症状は、突然におきる腹痛のためにひどく泣いたり、少しすると和らいで泣きやんだりを繰り返します。この強い泣き方は「火をつけたような」という言い方がされています。そして、次第にぐったりとし、また顔色が真っ青になるのも特徴的です(嫌がって泣いているときには真っ赤な顔をするものですが、腸重積では、いかにも具合悪そうに白い顔をしながら泣いています)。
嘔吐することもありますが、何といっても決め手は血便です。これは腸の粘膜が傷んでくるためにおきるのですが、粘液とともにでてきて、「イチゴゼリー状」をしています(これを浣腸で確かめることもあります)。
腸重積が危険なのは、命に関わることがあるからです。発症からほぼ一日以内なら、比較的簡単に治すことができますが、それ以上時間がたつと、めりこんだ腸がダメになってきてしまいます。早く手術をして治さないと、腹膜炎をおこすなど、重大な事態も心配です。
治療方法
治療は、診断が早いときには、肛門からバリウムなどを入れて圧力をかけ、めりこんだ腸を押し戻すようにします(整復)。これで戻らないときや、丸一日以上過ぎていて危険なときには手術をおこないます。