痔について

痔の悩みを相談できずに、悩んでいませんか?
痔は命にかかわる病気ではありませんが、生活の質に大きな影響を与えます。正しい知識を持ち、適切に対処していくことが大切です。
なお、肛門からの出血は、大腸がんやポリープで起こることもあるので、出血があった場合には、医療機関を受診するようにしてください。

☆痔の種類
いぼ痔、切れ痔、痔ろうの3つのタイプがあります。
①いぼ痔(痔核)・・・排便時に強くいきむなど、肛門に負担がかかると、肛門クッションの血流が滞り、うっ血を起こします。肛門に負担がかかることが度重なると、徐々に肛門クッションが膨らんで、いぼ状になります。これがいぼ痔です。
 

◆おもな症状出血が起こります。鮮やかな色の血液がぽたぽたと滴ったり、ほとばしるように出て便器が赤くなったりすることもあれば、トイレットペーパーに少し付着する程度のこともあります。
◎いぼが肛門の外に出る   
いぼ痔が大きくなると、筋線維による支えが弱くなり、肛門の外に脱出するようになります。最初のうちは排便時にだけ脱出し、排便後には自然に肛門内に戻りますが、やがて指で押さないと戻らなくなります。最後には「歩くと脱出する」「常に脱出している」状態になります。こうなると多くが不快な痛みを伴います。
◎肛門の周りにいぼがある
「強くいきみ続けた」「長時間乗り物の座席に座っていた」などをきっかけに、肛門の出口周囲にある肛門クッションに血豆が突然できて、腫れることがあります。この場合は、強い痛みを伴います。

◆いぼ痔になりやすい人
便秘がち、デスクワークなど1日中座っている人、妊娠や出産

◆治療
いぼ痔で手術が必要になるのは、2~3割程度。多くは薬と生活改善で症状が改善します。
薬には坐薬と軟膏があり、いずれも出血や腫れ、痛みを和らげます。
症状がなくなるまで薬を使用します。 

②切れ痔(裂肛)・・・肛門の出口寄りの部分に、小さな傷ができるのが「切れ痔」です。便秘になると、便が硬く太くなります。その便が肛門から押し出されるときに、縦に細く裂けたような傷が皮膚にできます。

◆おもな症状
◎排便時の激しい痛み
肛門の痛みに敏感な部分に傷ができるので、激しく痛みます。排便後もしばらくの間ジーンとした痛みが続くことがあります。
◎少量の出血
いぼ痔の場合と違って、切れ痔で起こる出血は少量で、トイレットペーパーに少し血が付く程度です。

◆切れ痔になりやすい人
便秘がちで便が硬くなりやすい人、括約筋の緊張が強すぎる人。
括約筋の緊張が強すぎるのは、どちらかというと若い人に多いようです。また便秘は若い女性に多いことから、切れ痔は若い女性に多いといえます
高齢者になると便秘に悩む人は多いのですが、括約筋の緊張が強すぎる人は少なく、若い人に比べて、切れ痔になる人は比較的少ないといえます。

◆治療
初期には薬物療法や生活改善によって治ることがあります。
治療薬には軟膏と軟便剤があります。
 軟膏には、痛みや出血、腫れを抑える作用があり、肛門内に薬を注入します。同じ成分の坐薬もありますが、挿入時に痛みがあるので、軟膏を使うことが進められます。
 軟便剤(酸化マグネシウム)は便をほどよく軟らかくするための内服薬です。便が軟らかくなると、硬い便の強い刺激が傷に加わらなくなって、排便時の痛みが軽減、傷も治りやすくなります。

◆市販薬を使うときの注意
市販薬の軟膏、軟便剤を利用してもかまいませんが、数日使っても症状が改善しなかったり、1度よくなっても再発して痛みなどが起こった場合には、早めに受診して、慢性化を防ぐことが重要です。
 なお腸を刺激するタイプの市販薬は、腸が刺激に慣れて効きにくくなることがあります。
切れ痔の治療には便を軟らかくするタイプが適しています。


◆手術
切れ痔を繰り返したり、慢性化した場合には手術が行われます。
・括約筋の緊張をとる手術  括約筋の一部にメスで切れ目を入れる手術
・肛門を広げる手術     皮膚が硬くなって肛門が狭くなっている場合、皮膚を切開して肛門を広げます。
③痔ろう・・・肛門の粘膜と皮膚の境目にある歯状線には、上向きの小さなくぼみがあり、そこに分泌腺があります。下痢などをきっかけに、便に含まれる大腸菌などの細菌が分泌腺に入り込むと、炎症から化膿して膿がたまる「肛門周囲膿瘍」を起こすことがあります。肛門周囲膿瘍で膿が体外に排出された跡には、多くの場合、膿が出た部位までをつなぐトンネル状の管が残ります。この管ができた状態を「痔ろう」と言います。

◆おもな症状
◎お尻のはれと痛み
肛門周囲膿瘍が起こると、肛門の周囲が赤く腫れて、排便とは関係なく痛みます。痛みはかなり強く、眠れないほどです。37~38℃ぐらいの発熱を伴うこともあります。
◎お尻のべたつき、下着の汚れ
痔ろうの状態になると、肛門周囲膿瘍のときのように痛むことはありません。しかし膿が少しずつ出てきて、お尻がべたついたり、下着が汚れたりします。

◆痔ろうになりやすい人
女性より男性に多くみられますが、その理由ははっきり分かっていません。男性は肛門の括約筋の収縮する力が強く、細菌が歯状線のくぼみに押し込まれやすいのではないかと考えられています。
また下痢をすると下痢便がくぼみに入りやすく、下痢症のある人は痔ろうになりやすいといえます。男性に痔ろうが多いのは、アルコール飲料の飲みすぎや仕事のストレスなどで下痢をしやすいからだとも言われています。

◆治療
・肛門周囲膿瘍の治療・・・局所麻酔をして、お尻の皮膚を小さく切開し、膿を排出させます。その後、抗菌薬や痛み止めを使って、腫れが治まるのを待ちます。肛門周囲膿瘍の後に痔ろうができることが多いので、医師の指示通りに通院し、痔ろうの有無を確認し、痔ろうができている場合には、その治療を受けることが大切です。
・痔ろうの治療・・・できてしまった痔ろうは自然にはなくなることはありません。手術が必要です。膿の管の通る深さや長さにもよりますが、最終的に膿の管全体が切り開かれるにまでには、2、3か月間かかります。

☆痔の原因
どのタイプの痔も原因は共通しており、主に便秘や下痢といった便通の異常をきっかけに引き起こされます。生活習慣を見直し、便秘や下痢を起こしやすい習慣があれば、それを正すことが大切です。
・便秘を防ぐためには、食物繊維を多くとる、ウオーキングや水泳、軽いジョギングなどの有酸素運動を生活に取り入れる、規則正しい食生活などに注意することです。
・下痢には暴飲暴食、辛い物や香辛料の取りすぎ、寝冷えなどの生活習慣が原因になることがあります。

☆快適な排便習慣のために
・朝食をとる
・朝食後の便意を逃がさない
・30分早く起きる(朝食をとり排便をすませるために)

☆肛門にやさしい排便方法
・トイレの時間は短く(目安は3分以内。便意が起きた時に)
・何度もいきまない
・排便後は肛門を清潔に(便の中には細菌が多く、肛門を汚れたままにしておくと、周囲の皮膚がただれてかゆくなることがある。)


 

薬剤師募集 店舗一覧

MENU