エイズ/HIV感染症とは


エイズはHIVに感染することによって起こりますがHIV感染=エイズではありません

AIDSは病気の名前で、HIVはそれを引き起こす原因ウィルスの名前です。
 

HIVとは

 

HIVとはウィルスの名前で、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウィルス)の頭文字をとった略称です。HIVはヒトの血液中や、精液・膣分泌液などにいて、これらの体液がほかのヒトの粘膜(たとえば、眼・口の中など)や、傷ついた皮膚に触れると感染する可能性があります。
 

ウイルスは細菌や真菌(カビの菌)などのように、外から栄養を吸収して、自分で増殖することはできません。ウイルスは生きた細胞の中でしか増殖することができません。HIVが増殖する細胞は、ヒトのCD4陽性Tリンパ球です。本来ウイルスと戦うためにあるCD4陽性Tリンパ球が、ウイルス増殖の主な温床となっています。
 

CD4陽性Tリンパ球が減り続けると、体の免疫機能を維持することが難しくなり、免疫力が低下していきます。何も治療をしなければ、免疫力は徐々に低下し、一般的には5〜10年でAIDSを発症(発病)すると言われています。しかし個人差があります。
 

人の体には、免疫という仕組みがあり、外から体内に病原体や異物が侵入した場合、それを排除するように作られています。
しかし、免疫力が低下すると、健康なときには何も問題がなかった弱い病原体(ウイルスや真菌など)が原因となって、さまざまな病気(日和見感染症と言います)が現れやすくなります。
 

日和見感染症の多くは、自分がもともと持っている菌やウイルスによって引きおこされます。代表的なものにニューモシスチス肺炎、カンジダ症、クリプトコッカス症、サイトメガロウイルス感染症などがあります。

 HIVからエイズ.gif

AISDとは



HIVに感染しただけでは症状のない人も多いのですが、CD4リンパ球の減少とともに徐々に免疫力が低下し、通常は日和見感染症などの合併症を発症します。ニューモシスチス肺炎など厚生労働省が定めた23の合併症のいずれかを発症した場合、AIDSと診断されます。AIDSは、Acquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の略称です。

 

 

HIVはどのように感染する?


HIVは感染力の弱いウイルスです。軽い接触による感染・空気感染の心配はありません。下記の「3つの感染経路」を断てば確実に予防できます!しかし、感染の危険性は誰にでもあり、自分の性行動について賢い選択(相手に不安を感じたら断る、感情に流されない、無防備な性行動はしない等)が重要です。
 

1.性行為

2.感染した母親から子供へ(母子感染)

3.注射器・注射針の使い回し

 

こういうことでは感染はしません。
○汗・涙・唾液・咳・くしゃみからの感染はありません。飛沫感染しません。
○パソコンなどの事務用品の共用で感染しません。
○電車のつり革・階段の手すりから感染しません。
○食器類共用での感染はありません。
○風呂・洗面台・便座の共用の感染はありません。
○蚊で感染することはありません。


これは注意しましょう。
○H I Vは、血液・精液・膣分泌液に多く含まれているので、これらの体液が傷口や粘膜に触れることのないよう注意しましょう。
○献血はやめましょう。
○カミソリ・歯ブラシの共用はやめましょう。
○血液の付着した衣類の洗濯は漂白剤で数十分浸したあと、通常通り洗濯してください。
○コンドームを正しく使用し、セーファーセックスをすることが大切です。
○妊娠・出産については医師・看護師にご相談ください。



 

治療



現在の抗HIV療法は、多剤併用療法によって血液中のHIVの増殖を抑制し、病状の進行
を阻止することができますが、完治させる(ウイルスを完全に体内から消す)ことはできません。日和見感染症の治療は、病原体にもよりますが、ほぼ完治することが可能です。現在行われているHIV感染症治療は、以下の2つになります。


・日和見感染症の治療
 

・HIVの増殖を抑える 効き方の異なる数種類の薬を併用します。


抗HIV.png


治療の目標

治療の目標は、服薬を規則正しく継続し、ウイルス量を検出限界未満に抑え続けるこ
とです。そうすれば、CD4数の回復・維持を期待することができます。

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