梅雨あけを迎えると、患者が急増する熱中症。熱中症というと、高熱が出るイメージですが、実は、体から水分が失われる脱水が最初に起きる病気。
熱中症は人によって進行度が違うが、必ず最初の段階にかくれ脱水がある。
熱くなると汗をかくことで、体は内部の熱を外に出します。
その結果水分が失われ脱水状態になります。自覚症状のない初期の段階がかくれ脱水。
そのままでいると体はさらに汗をかき、脱水が進む。
めまいや立ちくらみ足がつるといった症状が現れる。そして水分が不足すると汗はストップ。体内に熱がこもって体温が上がり意識障害がでるなど重い熱中症になってしまうのです。
水分が不足することで血液が濃縮され、血液の流れが悪くなったり血栓ができるなどして、脳の血管が詰まり脳梗塞になる可能性がある。
脳梗塞といえば、血管が収縮してしまう寒い冬に起こるイメージがあるが、国立循環器病研究センターの2008〜2011年の脳梗塞患者数のデータによると、冬よりも夏のほうが多いという結果が出ている。
•感覚障害
•物がつかめない
•うまく喋れない
このような兆候があったらできるだけ早く病院に行くこと。
メカニズムは脳梗塞と同じで、心臓の血管が詰まると心筋梗塞が起こる。水分不足によって血液が濃縮することが大きな原因と言われている。
心筋梗塞の前兆
胸の痛み・吐き気・冷や汗
夜に足がつる
運動不足で足がつる場合もあるが、汗を大量にかくと水と電解質(イオン)を失ってしまう。体のイオンが出ていくと神経がおかしくなり、筋肉がおかしくなり足をつる(こむら返り)という症状が出る。
運動不足の場合と違うところは、つる場所が移動するということ。かくれ脱水の場合は、右の足や左の足がつったり、上の方や下のほうがつったりと移動する。
その他の症状
•大量の汗をかく
•集中力の低下…いつも普通にできている仕事や家事が時間が長くかかるなど
•食欲不振
•立ちくらみ
•しびれ・脱力
隠れ脱水の状態で早めに気づくことが出来れば、熱中症はかなり防げるといいます。
握手をする
握手をして手が冷たくなっている場合、体の水分が足りない可能性がある。
手の循環が脱水症のひとつのサインとなので、循環が悪くなると冷たくなる。
手の親指の爪を押す
親指の爪を白くなるまでギュッと押してから離し、元の爪の色に戻るのに3秒以上かかる場合、脱水状態になっている可能性がある。
手の甲の皮膚をひっぱる
手の甲の皮膚をひっぱり、元の状態に戻るまで3秒以上かかる場合、脱水状態になっている可能性がある。
舌の状態をみる
舌がザラザラしたり、赤黒い色をしている場合、脱水状態になっている可能性がある。
こまめな水分補給はもちろんだが、予防効果のある食べ物もあるとのこと。
予防食材 タンパク質
•豆腐などの大豆製品
•鶏肉(特にささみ)
•卵
•牛乳
タンパク質が少ない状態でたくさん水分をとっても、血管の中にとどまっていないで体のいろんな所に漏れてしまう。血管の中にタンパク質をたくさん取り込んでおくと、外から水分をとっても全部血管の中に入ってくれる。
脱水が治りやすくなるだけではなく、汗もかきやすい体になるそうです。
•汗をかいたときは水分+塩分(スポーツドリンクなど)
•汗をかいていないときは水分だけ
長い間塩分を取り過ぎると高血圧になりやすくので、汗をかいていないときは水分だけで良い。
また夜は症状の出ない脱水が起こりやすいので、夜寝る前と朝起きた時に水分をとると良いそうです。
脱水が進んだときは水だけよりも経口補水液が効果的。体に必要なナトリウムイオンなどの電解質がバランスよく含まれている。(OS-1など)
お水とかお茶では体に必要な電解質が足りないので、水分だけを補給しても脱水状態は完全には治らないそうです。
材料
•水 1リットル
•塩 3グラム(小さじ 2分の1)
•砂糖 40グラム(大さじ4と2分の1)※水と電解質の吸収を良くするために糖分を加える
作り方
(1)水にしっかり溶けるまで、混ぜれば完成
(2)さらにレモン半個分をしぼった汁を加えると飲みやすくなる
※一気に飲まずに、30分でコップ一杯分を飲むぐらいが目安で、作ったその日の内に飲むこと
病気は悪化を防ぐのが難しいが熱中症は経口補水液などをの適切な飲み物を飲めば防ぐことができる。熱中症対策のために隠れ脱水の段階で十分な対応をとることが大切だそうです。
参考ホームページ
かくれ脱水ジャーナル http://www.kakuredassui.jp/