頸肩腕症候群

●症状...主な症状として、肩こり、頭痛、冷感、めまい、首・肩・腕の筋肉痛やしびれ等があります。    
ひどい場合は長期間にわたり同じ場所に強い痛みを感じ、手指まで拡散するような痛みを感じることもあります。
●原因...筋肉が常に緊張していると、筋肉が収縮し続け固くなった結果、血管を圧迫し、ひいては血行が悪くなります。    
また、血行が悪くなった結果、疲労の原因となる乳酸等の物質が筋肉に溜まり、凝りや痛みを惹き起こします。
さらに、凝りや痛みが持続すると、筋肉を動かさなくため、血行の悪い状態が続き、痛みが強くなるといった悪循環に陥ります。  
  このような状態を招きやすいものとして以下の様なものがあります。    
・首および肩周辺の筋肉の疲労    
・精神的なストレス   
・寒さによる血行悪化   
・内蔵疾患    
・外傷後の後遺症    
・頸椎椎間板の異常  
また、肩や首が細く長い人は、頭を支えるために大切な首や肩の筋肉が弱い事が多く、筋肉への負担が大きくなり凝りやすいと言われています。
 さらに、パソコンでの作業が多いデスクワークに従事している方は、長時間同じ姿勢をとり続けることになり、眼精疲労も重なって凝りが進みます。  よって、この二つの条件を満たしやすい女性が最も罹患しやすい疾患だと言われています。

●日常生活で気を付けたいこと

まずは安静にすることです。少し改善が見られたら、血行を良くして筋肉の緊張をほぐすために軽い運動や、お風呂に浸かり温めることも効果的です。その他にも以下の様な注意点があります。

・安静にする
筋肉の緊張をほぐすために、ゆっくりと休息をとります。また、この時に自分がリラックス出来る飲み物を摂取したり、自分の好きな音楽(クラシックやヒーリング等リラックス効果が期待できるもの)を聴くのも効果的です。

・体操や軽い運動を行う
運動不足も凝りの原因になります。日常的に体操を行ったり、肩や首の筋力を鍛えることで筋肉自体を強化でき、筋肉に負担がかかりにくくなります。凝りがあって負荷をかけられないときは体操で十分です。 余裕があれば負荷をかけて筋肉を強化すると良いでしょう。家庭では鉄アレイ等の用具が無い場合もありますが、空のペットボトルにお水を入れて使用するのも効果的です。

・入浴方法について
近年、健康やダイエットを目的として半身浴をされる方が増えています。しかし、肩こりがある場合は肩までしっかり浸かって筋肉を温めることが大事です。また、入浴剤を使うことも効果的です。 炭酸系の入浴剤やハッカ入り入浴剤等がありますので、お好みに応じてお使いいただくのも一つの方法です。

・姿勢について
筋肉に負担のかからない姿勢が大切です。人間の頭の重さは体重比で約8~13%あると言われています。例えば、体重50㎏の方だと5㎏前後となります。よって、猫背のように悪い姿勢だと、首や肩の筋肉に負担がかかります。 気づいた時点で一旦筋肉をほぐし背筋を伸ばすようにしましょう。

●医療機関での治療
さらに症状がひどい場合は専門の医療機関(病医院や治療院)において検査し、治療することが望まれます。 治療方法としては以下の様なものがあります。

・温熱療法
 温熱療法とは体を温めて血行を良くする物理的な方法です。お風呂で体を温めて血行を良くするのも一つの温熱療法ですが、医療機関においては「ホットパック」、「赤外線」、「超短波」、「マイクロ波」などを用いて温熱療法を行っています。  いずれも症状のある部位を温めて血行を良くし症状を改善します。

・神経ブロック
 痛みをもたらしている原因である神経周辺に麻酔薬を注射し、痛みを和らげる治療法です。血行を良くする作用もあるため、筋肉の凝りをほぐす作用も期待できます。麻酔効果は長続きしないため、根本的な治療にはなりませんが、  痛みのサイクルを一旦断ち切り、血行も良くなり、筋肉がほぐれることから、その後に痛みが出にくくなります。

・薬物療法
消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、及びビタミン剤等を主に使われます。精神疾患が背景にある場合は抗不安薬なども用いられます。消炎鎮痛薬は痛みを抑え、筋弛緩薬は筋肉の凝りや緊張を改善し、ビタミン剤は血行を改善します。また、消炎鎮痛薬は内服薬と外用薬があり、外用薬には温湿布と冷湿布等があります。 冷湿布はハッカを含み、幹部を冷やして痛みを抑えるため急性の痛みに用いられます。また、温湿布はカプサイシンを含み、患部の温度を1~2℃上げると言われており、血行を良くするため慢性の痛みに使用されます。
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