不眠症とは


睡眠障害の一種です。
「寝つけない」
「夜中によく目が覚める」
「熟睡できない」
「早朝に目が覚める」
などの睡眠トラブルのために、昼間の日常生活に支障をきたす状態が続くことです。


現在では睡眠の悩みを抱えている方が、日本では5人に1人いるといわれています。とくに高齢になるほどその割合は高くなり、60歳以上では約3人に1人が不眠を訴えています。

十分に眠れていないと、日中に眠気によって疲労感が増す、集中力や注意力が低下する、無気力になるなどの症状を伴うようになります。また、睡眠不足は糖尿病や高血圧などの生活習慣病にも関係することがわかってきています。
 

 

原因

 

不眠症はさまざまな原因により起こりますが、主には大きく5つに分けられます。
 

体の病気と関連した不眠

さまざまな身体の病気や、その病気による症状(痛み、かゆみ、咳、頻尿、悪心、下痢、発熱、頭痛など)に伴って起こる不眠です。

薬や嗜好品と関連した不眠

カフェインやアルコールなど嗜好品に含まれる成分や、治療のため飲んでいる薬が原因で起こる不眠です。アレルギーの薬やかぜ薬、降圧薬、ステロイド薬、経口避妊薬、抗がん剤、インターフェロンなど、不眠を引き起こす薬はいろいろあります。

心の病気と関連した不眠

うつ病・不安障害・統合失調症などの精神疾患には、不眠の症状が現れることが多くあります。また、アルツハイマー型認知症や脳血管障害、脳腫瘍などの脳の障害でも、不眠は起こります。

心理的なストレスと関連した不眠

親しい人の死や悩みなど、心理的なストレスで起こる不眠です。また不眠は、最初はさまざまな原因で起こりますが、その原因が取り除かれたあとも眠れない日が続くと、「また眠れないのではないか」という心配が原因でさらに眠れなくなり慢性的不眠症になります。

不適切な生活習慣と関連した不眠

不規則な睡眠時間、不適切な睡眠環境、昼間の活動量の不足などが原因となって起こる不眠です。
 

 

不眠症の4タイプ
 

下記のような症状が、1ヶ月以上続き、社会生活に支障がある場合を「不眠症」といいます。

入眠障害

床に入ってもなかなか寝つけない、眠りにつくのに30分~1時間以上かかり、それを苦痛と感じる状態です。不眠症の訴えで最も多く、さまざまな原因で起こります。

中途覚醒

夜中に何度も目が覚めて、その後、なかなか寝つけない状態です。年をとるにしたがって眠りがだんだんと浅くなり目覚めやすくなります。お年寄りに多くみられるタイプです。

早朝覚醒

自分の望む起床時刻より早く目覚めてしまう状態です。年をとると体内時計のリズムが前にずれやすく、また若い人に比べて夜遅くまで起きているのがつらくなるので、早寝早起きになります。お年寄りによくみられます。また、うつ病にもよくみられる症状です。

熟眠障害

睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠った感じが得られない、眠りが浅い状態です。睡眠時無呼吸症候群や寝ている間に足がぴくんぴくんと動く周期性四肢運動障害など、睡眠中に症状の現れる病気が関係していることもあります。これらの睡眠障害は、本人は気がつきにくいので注意が必要です。


 

薬の正しい飲み方



睡眠薬を安全かつ効果的に服用するためには、以下の点に注意します。

1. 医師または薬剤師の指示通りに服用する

量を勝手に増やしたり減らしたり、飲むのをやめたりしてはいけません。

2. 飲んだらすぐに床につく

自分にとっての就寝時間に合わせて飲み、飲んだら家事などの作業はせず、早めに床につきましょう。無理して起きていると、ふらついたりその間のことが思い出せなくなることがあります。

3. アルコールと一緒に飲まない

睡眠薬をお酒と一緒に飲むと、激しい脱力やふらつきが出たり、異常な行動をしたり、記憶が抜けたりすることがあります。危険ですので、絶対に避けてください。

4. 途中で起きなくてはならない場合は、服用しない

薬を飲んで眠っている時に起こされると、そのときの記憶が抜けたりすることがあります。原則として、睡眠薬を飲んだら途中では起きないようにしましょう。
 

心地よい眠りの為のポイント


 

同じ時間に毎日起床

早く寝るための近道は、早く起きる習慣をつけることです。とくに週末など、油断して遅くまで寝ていると、からだのリズムがくずれ、夜の寝つきが悪くなります。

朝の光を利用

朝起きたら、まず太陽の光を浴びましょう。太陽の光を浴びると体内時計がはたらいて、からだ自体が目を覚まし、すっきり起きることができます。

規則正しい生活習慣を
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毎日朝食を食べる習慣は、起床時間の少し前から消化器の働きを活発にし、朝起きるのを助けてくれるようになります。

日中は適度にからだを動かす

毎日適度にからだを動かすと、からだのリズムが整ってきます。また心地よい疲労感を得ることで、ぐっすり深く眠れるようになります。

寝る前にはリラックス

夜寝る前に強い刺激を受けると、からだは眠れなくなってしまいます。夜はぬるめのお風呂にゆっくり入る、気持ちを楽にするなど、自分にあったリラックス方法をみつけましょう。

寝る前のコーヒー・タバコをやめる

コーヒーや紅茶、緑茶などは、リラックスできるように見えますが、からだにとっては刺激物です。布団に入る4 時間前までにしましょう。タバコも同様に、布団に入る1時間前までにしましょう。刺激物.gif

快適な睡眠は快適な寝具から

布団や枕は、汗などの湿気を含みやすく、雑菌が繁殖しやすくなります。汚れた寝具はアレルギー症状を引き起こしたり、快適な眠りの邪魔になることもあります。

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