高尿酸血症とは

尿酸とは

 

尿酸は新陳代謝の結果生じる老廃物です。健康な人でも血液中には一定量の尿酸が含まれており、
最終的には尿や汗に含まれて体外に排せつされます。つくられる量と排せつされる量のバランスがとれていれば、
尿酸の量は一定に保たれていますが、生成量が多くなって排せつが追いつかなくなったり、
排せつ機能が低下して排せつ量が減ったりすると、体内に尿酸が増えすぎることがあります。
この血液中の尿酸の値(血清尿酸値)が7㎎/dLを超えると、高尿酸血症と診断されます。
女性は女性ホルモンの働きで尿酸値が上がりにくいため、高尿酸血症のある人のほとんどが男性です。

 

高尿酸血症の診断基準

 

自覚症状が現れないため、診断には血液検査が必要です。血液中の尿酸値が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。
これを超えると痛風発作のリスクが高まり、9mg/dlを超えると発作が起こる可能性は極めて高くなります。放置していると、
痛風結節や尿路結石、腎機能の低下など、さまざまな合併症を起こす危険性があります。高血圧や心臓病とも関係しています。
尿酸値を上げるリスクには、「男性」「肥満」「アルコール飲料をよく飲む」「肉や魚の内臓が好物」「水分をあまりとらない」
血縁者に痛風の人がいる」などがあげられます。尿酸値は性別や体質のほか、生活習慣とも深く関わっています。
リスクに該当する場合は、一度尿酸値を調べておくとよいでしょう。image132.jpg

全身への影響

 

尿酸が血液中に溶けきれなくなるほど増えると、溶けきれなかった尿酸がナトリウムと結合して結晶化します。尿酸や、
尿酸からできた結晶は水や体液に溶けにくい物質のため、体のさまざまな部位に沈着し、障害を起こすことがあります。
起こりやすくなる病気としては、結晶が足の関節などに沈着し、激しい痛みを引き起こす痛風、そのほか、尿路結石や
慢性腎臓病が起こったり、動脈硬化につながることもあります。
また、高尿酸血症の発症には「食べすぎ」「飲みすぎ」「運動不足」といった生活習慣が大きく関わっているため、
高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を併せ持っている人が多いと言われています。
健康診断などで尿酸値が7㎎/dLを超えている場合には、高血圧・糖尿病・腎臓病などにも詳しい内科を受診し、
合併する病気の有無についての検査も受けましょう。

 

高尿酸血症の治療
 

 

高尿酸血症の治療の基本は、生活習慣の改善です。まず、食生活の改善から始めましょう。
「食べすぎない」「脂肪・塩分をとりすぎない」「プリン体を多く含む食品(例:レバー、いわしの干物、白子など)を控える」
「アルコール飲料を飲みすぎない」「水分を多めにとる」「尿をアルカリ化する食品(野菜、海藻)をとる」などに気をつけます。
ウオーキングや水泳などの有酸素運動を、適度に生活に取り入れることも大切です。
生活習慣を改善しても尿酸値が十分に下がらない場合や、痛風発作を繰り返す場合には、尿酸生成抑制薬や尿酸排せつ促進薬などの薬を使って尿酸値を下げます。薬を使う場合も、薬を頼るだけではなく、生活習慣の改善にしっかり取り組むことが大切です。

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