膀胱が自分の意思に反して収縮する病気です。
突然強い尿意におそわれ、尿を我慢できなくなります。最近の調査で、とても多くの方がこの病気で悩んで
いらっしゃることがわかりました。
脳や脊髄の損傷や、男性の場合は前立腺肥大でぼうこうが刺激されるなど原因はさまざまです。また男女
ともに加齢で過活動ぼうこうが増えるのは、骨盤底が弱くなり神経が障害されるためと考えられています。
しかし、原因を特定できない場合も多いです。
過活動膀胱による排尿トラブルには次のような症状があります。
(1)急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢できない(尿意切迫感)
(2)トイレが近い(頻尿)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
人がトイレへ行く回数は、日中で5~7回、寝ている間は0回が正常と言われています。日中8回以上トイレに行き、
夜間も1回以上おしっこのために起きるようなら、それは頻尿(夜間頻尿)と言えます。
(3)急に尿をしたくなり、トイレまで我慢できずに漏れてしまうことがある(切迫性尿失禁(尿漏れ))
場合によってはトイレまで我慢できずに尿が漏れてしまうこともあります。
尿をもらすかもしれないという不安から頻繁にトイレに行くようになり、過活動膀胱は生活全般に影響を及
ぼします。
仕事や外出、社会活動の妨げになったり生活の質の低下を招いたりすることもあります。
①行動療法
自分でできる治療法です。
・排尿日記をつける
トイレに行った時刻、尿量、摂取水分量などを記録し、治療の参考にします。
・膀胱訓練をする
トイレに行きたくても15~30分我慢して、排尿間隔をあけます。
訓練を続けるにしたがい、我慢できる時間が延びていきます。
②薬の服用
抗コリン薬によって、神経を通じて膀胱の筋肉へ伝達される伸縮の指令をブロックして、膀胱収縮を抑制し
ます。
③体質改善
過活動膀胱には、
・太っている人
・便秘の人
・水分摂取が多い人(1日2リットル以上)、または少ない人
・ストレスを感じやすい人
・運動不足の人
がなりやすいとされています。もしあてはまる項目があれば、改善するように努めましょう。