有毒植物による食中毒

有毒植物を食用の植物と誤って食べ、食中毒になる事例が毎年報告されています。食用と確実に判断できない植物は、絶対に食べないようにしましょう。また、食卓にある野菜でも食中毒になる可能性があるので注意しましょう。

植物名

間違えやすい植物の例
(「自然毒のリスクプロファイル」より)

事件数

患者数

死亡数

 スイセン

ニラ、ノビル、タマネギ

62

207

1

ジャガイモ

※親芋で発芽しなかったイモ、光に当たって皮がうすい

黄緑~緑色になったイモの表面の部分、芽が出てきたイモ

の芽及び付け根部分などは食べない。

18

285

0

チョウセンアサガオ

ゴボウ、オクラ、モロヘイヤ、アシタバ、ゴマ

13

36

0

バイケイソウ

オオバギボウシ、ギョウジャニンニク

18

40

0

 クワズイモ 

サトイモ 

17

40

イヌサフラン

ギボウシ、ギョウジャニンニク、

ジャガイモ、タマネギ 

17

24

10

トリカブト

ニリンソウ、モミジガサ

9

17

コバイケイソウ

オオバギボウシ、ギョウジャニンニク

4

9

0

ヨウシュヤマゴボウ 

ヤマゴボウ 

4

0

観賞用ヒョウタン 

ヒョウタン 

3

20

0

 ハシリドコロ 

フキノトウ、ギボウシ 

3

キダチタバコ

カラシナ、カラシ

1

3

0

ユウガオ

ヒョウタン、※まれに高ククルビタシン含量のユウガオによる中毒もある。苦みの強いものは摂食しない方がよい。

3

9

0

スノーフレーク

ニラ

2

5

0

ヒガンバナ

 

1

2

0

タガラシ

 

1

1

0

その他(タマスダレ、ヒメザゼンソウ等)

9

58

0

不明

5

25

0

合計

190

793

14

参考:厚生労働省

 

 

ニリンソウとトリカブト

 ニリンソウは山菜独特の苦みがありますが、お肉の付け合わせとして人気が高い山菜です。3月頃に芽が出始め、4月から白い小さい花を咲かせます。葉は3枚が輪生し、その中心から二輪寄り添って咲くことからニリンソウと名付けられました。しかし、花は必ず二輪とは限らず、一輪から三輪の花をつけるものもあります

 このニリンソウと誤食することが多いのはトリカブトです。ニリンソウと同時期にトリカブトの新芽が出始め、生える場所もほぼ同じであるためニリンソウの群生地にトリカブトが生えていることもあります。見た目はほぼ同じで見分けがつかないため、必ず白い花が咲いている新芽を採取するようにしましょう。

 トリカブトは非常に毒性が強く、口唇や舌のしびれに始まり,次第に手足のしびれ,嘔吐,腹痛,下痢,不整脈,血圧低下などをおこし,けいれん,呼吸不全(呼吸中枢麻痺)に至って死亡することもある。

 

ニラとスイセン

 ニラは家庭で簡単に栽培できます。そのため庭のスイセンと誤食されることが多い植物です。ニラとスイセンの葉は非常によく似ています。家庭で栽培する場合はニラと近い場所でスイセンを植えない、採取したあとにニラ独特のにおいがある事を確認するなど注意しましょう。

 スイセンの毒性は強くはありませんが、誤食すると悪心、嘔吐、下痢、発汗、頭痛、昏睡,低体温などの症状が現れることがあります。

 

ジャガイモ

 ジャガイモは親芋で発芽しなかったイモ(芯が硬くなっている)、光に当たって皮が薄い黄緑 緑色になったイモの表面の黄緑の部分、芽が出てきたイモの芽及び付け根に、ソラニン等のステロイドアルカロイド配糖体を含み、毒性を示します。芽の付け根の硬くなった部分は確実にとり除くこと、ソラニン類は水に溶けやすいので、蒸す料理ではなく、ゆでる調理方法をとるなど注意しましょう。ソラニン類による中毒量を摂取するには、成人では数kg食べなければならないため小学校等での中毒事例は多いですが、成人での中毒はほとんど起きていません。

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