フレイル
・おいしくものが食べられなくなった。
・疲れやすく何をするのも面倒だ。
・体重が以前よりも減ってきた。
⇒思い当たることはありませんか?こんな傾向はフレイルかもしれません。
加齢にともなって気力や体力が徐々に落ち、要介護状態になる前の『虚弱』な段階が、「フレイル」です。フレイルになっても、早期に気づいて予防することで健康な状態に戻ることができます。まずは、フレイルについて知りましょう
フレイルとは
「フレイル」とは、『フレイル診療ガイド 2018 年版』(日本老年医学会/国立長寿医療研究センター、2018)によると、「『加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態』を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語である。フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。」と定義されています。
日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを提唱しました。
フレイル基準
フレイルの基準
フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断されます。
1.体重減少 「この2年間で体重が5%以上減りましたか」
2.疲労感 「自分は活力が満ちあふれていると感じますか」
3.身体活動の低下 「軽い運動・体操&定期的な運動・スポーツをしていますか」
4.握力低下 「男性:26kg未満、女性:17kg未満」
5.歩行速度の低下 「男性:1.0m/s未満、女性:1.0m/s未満」
フレイルの原因
フレイルは以下の3つの要因が互いに関係して悪循環を起こしています。
身体的フレイル
・運動機能や身体機能の低下
・食欲低下、低栄養
・サルコペニア(筋肉の減少)
・オーラルフレイル
社会的フレイル
・知己や人とのつながりが少ない
・孤食
・閉じこもり
心理的・認知的フレイル
・無気力
・認知機能の低下
・うつ
フレイルの治療・予防
フレイルを予防するには適度な「運動」と「栄養バランス」の取れた食生活、そして「社会活動への参加」が重要となります。最近の研究では、特に「社会活動への参加」頻度の低下が、フレイルの入り口になりやすいといわれています。
健康長寿のための「3つの柱」を見直すことで活力に満ちた日々を送りましょう。
健康のための「3つの柱」
・栄養:食事の改善
食事は活力の源です。バランスのとれた食事を3色しっかりとりましょう。また奥地の健康(口腔ケア)にも気を配りましょう。
・身体活動:ウォーキング・ストレッチなど
身体活動は筋肉の発達だけでなく食欲や心の健康にも影響します。今より10分多く体を動かしましょう。
・社会参加:趣味・ボランティア・就労など
趣味やボランティアなどで外出することはフレイル予防に有効です。自分に合った活動を見つけましょう。
また、毎日の食事で必要なたんぱく質はとれているでしょうか。年齢や活動量に応じた目標量をチェックしてみましょう。
出典:厚生労働省「食べて元気にフレイル予防」パンフレット